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これからの方向性

基本的方向性

中核的専門人材養成

我が国の経済社会を支える厚みのある中間層として、産業構造の変化やグローバル化に対応した新たな知識・技術・技能を備え中核的な役割を果たす専門人材を質的・量的に確保することが必要である。

中核的専門人材とは
成長分野等における中核的専門人材の対象は、実践的・専門的な知識・技術・技能を身に付け、職業に必要な卓越したまたは熟達した実務能力に基づく業務を遂行し、または、グループや中小規模の組織の中で中核的な役割・機能を果たす厚みのある中間層とする

産業界等のニーズを踏まえた中核的専門人材養成を戦略的に推進していく観点から、各成長分野における人材養成に係る取組を先導する広域的な産学官コンソーシアムを組織化し、中核的専門人材養成のための新たな学習システムの基盤を整備する。

本事業の対象とする分野は、今後の雇用創出が期待される成長分野として、環境・エネルギー、医療・福祉・健康、IT (クラウド、ゲーム・CG等)、食・農林水産、クリエイティブ (デザイン・ファッション等)、観光等とし、産業界等の具体的なニーズを踏まえた中核的専門人材養成を推進する。

各分野の取組

各コンソーシアムにおいては、

  1. 産業の高度化やグローバル化への対応に新たに必要とされる実践的・専門的な知識・技術・技能を修得し、イノベーション創出を支える能力
  2. 各分野に共通する中核的専門人材が遂行する業務に必要なマネジメント能力等や職業人にとって必要な基本的な知識・能力

等を体系的に整理することとする。

厚みのある中間層を育成する観点から、中核的専門人材が遂行する業務のレベルについては、次の図のような基本的な業務レベルを参考に、当面、各分野の特性を踏まえたレベルを設定するとともに、今後の検討・実証を踏まえ必要な改善を図ることとする。

《中核的専門人材が遂行する業務レベル:イメージ》

中核的専門人材が遂行する業務レベル

技術者に対し、革新的技術を創造していく能力やニーズを的確に把握し、製品化する能力が重視される傾向が指摘※1されるように、専門的な職業人として共通して求められる基本的な知識・能力を重点的に伸ばすとともに、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度等を育成することが期待※2されている。このため、各分野の特性を踏まえつつ、中核的専門人材として共通的に必要なキャリア形成能力や課題対応能力等を養成する。

《各分野に共通して中核的専門人材に求められる基本的な知識・能力:イメージ》

各分野に共通して中核的専門人材に求められる基本的な知識・能力

人口減少期を迎え、成熟した社会においては、社会人、再就職を希望する女性、中高齢者等が希望する多様な学習機会が提供され、就業やスキルアップ、社会的活動につながるような教育環境整備が重要となる。しかしながら、前述のとおり、我が国の大学や就業を目的とした高等教育機関における社会人入学者のうち25歳以上の者の割合は、OECD平均を大きく下回っている※3

新たな学習システムの構築においては、学びと職業の両立を希望する社会人に対し、自らの職業のキャリアパスが描けるような学習ユニットの提供を行い、これらの積み上げが教育機関等において適切に評価され、社会において生かされるような学習基盤を整備する。

新たな学習システムの基盤を整備するに当たり、次の3つの柱を基本とした各分野の特性を踏まえた取組を支援する。

新たな学習システムの基盤整備

  1. 成長分野等において、各分野における産業界等のニーズを踏まえた人材養成策の策定
  2. 社会人等が学びやすい学習システムの導入促進(キャリアパスが描けるような「学習ユニット積上げ方式」によるアクセスしやすい学習環境の提供等)
  3. 各分野における教育の質の保証・向上の仕組みづくり

教職員の質向上

成長分野等における新たな学習システムの構築においては、専門学校・大学等において必要な知識・技術・技能を教授する教員の資質向上を図るとともに、教職員が各分野における産業界等のニーズを適切に把握しつつ、学習者が生涯にわたる職業生活を主体的に設計できる力を修得できるよう、教育内容・方法の改善・充実を進めていく仕組みづくりを推進する。

他の政策との連携

「実践キャリア・アップ戦略 基本方針」(平成23年5月18日)で示された実践的な職業能力の評価・認定制度(キャリア段位制度)において、今後、雇用の創出が期待される成長分野として提示された分野における連携や、ジョブ・カードの活用など職業教育・職業訓練の強化に係る施策との連携を図る。

「キャリア段位」が構築される「介護」「環境・エネルギー」「6次産業化人材」については、教育機関が提供する仕組みとの連携を通じた職業に必要な知識・技術・技能と教育プログラムとの対応関係の明確化に努めることとする。

その他、政府の国家戦略会議等(雇用戦略対話、グローバル人材育成推進会議、IT戦略会議、知的財産戦略本部等)における指摘や、今後の政府全体の人材育成に係る関係の政策の方向性を踏まえつつ、具体的な方策を検討する。

グローバル化への対応

我が国の成長を支えるグローバル人材の育成とそのような人材が活用される仕組みの構築を目的として設置された「グローバル人材育成推進会議(平成23年5月)」の中間まとめにおいては、「高校・大学・専修学校等でのグローバル人材育成メニューの開発・提供を促進する」ことが指摘された。

このような指摘を踏まえ、成長分野等において、グローバル化に対応する職業教育の充実を図る。特に拡大しつつあるアジア諸国等の市場拡大を視野に、実践的・専門的な職業人材を養成する教育の国際的な質保証の在り方について、引き続き、検討を進める。

推進体制等

国においては、教育関係者、産業界関係者、学識経験者等による企画推進委員会を設置し、①分野・職域の設定、②運用指針の決定、③事業計画の審査、④事業の進捗状況のフォローアップ、及び⑤各分野における共通の課題の総括、評価の在り方など今後の方向性について検討し、各コンソーシアム等へ提示する。

各コンソーシアムは代表校を中心に、人材育成を行う教育機関等と産業界・職能団体等の雇用者側が参画し、各分野の特性を踏まえた新たな学習システムのモデル構築と、それらの質保証の枠組みづくりを推進することが期待される。

事業終了後は、産学官連携による推進体制として、国レベル及び各コンソーシアムにおいて積極的に成果普及を推進する。

※1 独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における人材の確保と育成」《参考資料40頁》
※2 「人間力(内閣府)」「社会人基礎力(経済産業省)」「就職基礎能力(厚生労働省)」「(社)経済同友会調査」「(社)日本経済団体連合会調査結果」ほか、社会的・職業的自立に向けて必要な能力や態度等についてまとめ《参考資料35~39頁》
※3 大学及び就業を目的とする高等教育機関における社会人入学者の割合《参考資料18,19頁》